2016年5月25日水曜日

ロックンロール・バンドの季節が過ぎて行く。

平素より大変お世話になっております。
wearerのYKでございます。  

ブログの更新が久しぶりすぎて、ログインの仕方ごと忘れるところでした。

SNSやウェブサイトなどで御報告済みですが、
5月21日付でwearerの新EP "FORGET ME NOT ep"がリリースとなりました。

プロデューサーにKoyo_Fukamizu氏(TOTOS)、ゲスト・ドラマーに原"GEN"秀樹氏(NORTHERN BRIGHT)を迎えて制作した3曲入り。
よりポップに、よりカラフルに、より90年代への愛情深く。
まるでプリット・ポップのようなパッケージの中には、僕らの国の言葉で綴った、もう逢えないあの人を想う歌。
そんな仕上がりになっております。  

☆ ☆ ☆

年明けてしばらくしてから急遽レコーディングすることが決まり、
そこからものすごい勢いでいろんなことが突き進んで今回のリリースに至りました。  

正直、かつてないほど仕事がクソ忙しく且つクソ重たいこの時期に、よりによってゼロからレコーディングに突入するとか、自分でも頭がおかしいんじゃないかと思いました。

それでも、僕はやらざるをえなかったのです。
そうでもしないと、僕はきっと立ち止まってしまうことになる。
そして、このスピードで流れていく季節の中で立ち止まってしまったら、2度とはここへ戻れなくなる。
そう思ったのでした。 

1度やると決めてしまえば、後戻りすることはもうできず。
先が何も見えない不安の中を、とにかく駆け抜けてきました。
吹き荒れる嵐の中で、ただ目の前の「今」を離さないように、必死でしがみついていたら、気がつけば、ここにいました。

そしてどうにかこうにか、毎度のことながら、とにかくいろんな方々にお世話になりまくりながら、転げ出るようにしてこのEPは世に放たれました。

あなたに聴かせたい歌が、またできました。
だから、僕はまだここで、歌っていたいと思います。

☆ ☆ ☆

そして気がつけば、もう下北沢サウンドクルージングの季節。
ありがたいことに、wearerは今年も出演します。

今回はサポートメンバーも最小限におさえ、初心に帰って、命ごとぶつける感じで、とにかく無心でやりたいと思っております。

なんてことはどうでもいいから、遊びに来てくれた人と、朝まで飲みたいですな。
僕はこの日、意地でも仕事に行かない予定です。
予定。

☆ ☆ ☆

バンドに限らずそうですが、そりゃあ何事も続けていればいろんな困難があります。
僕はバンドを生業にしているわけではないですが、それでも時に人様からお金をいただいて演奏や作品を提供する立場である以上、くそ真剣です。
真剣になればなるほど、辛いこと苦しいことが、たくさんあります。

別にバンドなんかやらなくたって死ぬわけじゃなし、誰から頼まれたわけでもないバンドを勝手に苦しんでやっている馬鹿が僕です。
更に言ってしまえば、もっともっと働けとか婚活しろとか金払えとかもう死ねとかいう、生きていく上での、バンドとはなんら関係のない様々な圧がある中、それでもなんでバンドを続けていくのか、正直なところ、自分でもよくわかりません。

あれやこれやが混ざり合って流れ行く日々の暮らしの中で、僕はいまだに「今」だけを見つめております。
「未来」などには目もくれず、「今」に溺れております。
僕は「未来」を描くことなどできないのです。
でもこの「今」が途切れないようにあがき続けていれば、この街の空の下、いつかあなたに逢える。
そんな気もしています。

あなたがどれだけ大人になっても。
大切にしていたものがすっかり変わってしまっても。
いつかの約束を忘れてしまっても。
何かを確かめるようにして、ふと振り返ったら、いつでもそこから見えるように。
僕はロックンロール・バンドの季節に立っています。

僕が、くたびれた心と体ひきずって性懲りもなくロックンロール・バンドを続けている理由は、強いて言うなら、だいたいそんなところです。

☆ ☆ ☆

最後に。
プロデューサーを快く引き受けてくださったKoyo_Fukamizuさん、本当に感謝しています。
プロデューサーという枠を越えて、バンドにとって大切なことを教えてくださいました。
ありがとうございました。


こうして今も、ロックンロール・バンドの季節が過ぎていきます。
どうか、いつか、届きますように。